Webを支える技術:2章:Webの歴史

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Webを支える技術とは?

技術評者社から出されている技術書で、以下は公式サイトからの概要引用です。

Webは誕生から20年で爆発的な普及を果たし,17億人のユーザと2億台のサーバを抱える巨大システムへと成長しました。Webがここまで成功した秘密は,その設計思想,いわゆるアーキテクチャにあります。Webのアーキテクチャ,そしてHTTP,URI,HTMLといったWebを支える技術は,Webがどんなに巨大化しても対応できるように設計されていたのです。

私たちが作る個々のWebサービスも,Webのアーキテクチャにのっとることで成功へとつながります。Webのアーキテクチャに正しく適応したWebサービスは,情報が整理され,ユーザの使い勝手が向上し,ほかのサービスと連携しやすくなり,将来的な拡張性が確保されるからです。

本書のテーマは,Webサービスの実践的な設計です。まずHTTPやURI,HTMLなどの仕様を歴史や設計思想を織り交ぜて解説します。そしてWebサービスにおける設計課題,たとえば望ましいURI,HTTPメソッドの使い分け,クライアントとサーバの役割分担,設計プロセスなどについて,現時点のベストプラクティスを紹介します。

引用:http://gihyo.jp/magazine/wdpress/plus/978-4-7741-4204-3/

Webを支える技術 HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB press plusシリーズ) [ 山本陽平 ]

2章:Webの歴史をまとめてみました。

Web以前のインターネット

  • インターネットの起源は1969年のARPANET(アーパネット)
  • アメリカの大学や研究機関間をつなぐネットワークとして誕生した
  • つまり、はじめはクローズドにアカデミック領域で用いられた

Web以前のハイパーメディア

  • ハイパーメディアの起源は1945年のMemex
    • 実在するシステムではなく構想レベル
    • 電気的に接続した本やフィルムを相互にリンクし、次々と表示する検索システムとして提唱
    • ただし、「ハイパーメディア」という単語は生まれていない
  • 言葉として提唱されたのは1965年、Ted Nelsonによる
    • ハイパーテキスト:文字情報中心の文書を相互にリンクさせる
    • ハイパーメディア:テキストのみならず、音声や動画など多様なメディアを相互にリンクさせる
    • Nelsonは今のWebよりも高性能なハイパーメディアXanadu(ザナドゥ)を構想
    • しかし、高機能ゆえの複雑さから頓挫
  • Web以前のハイパーメディアの問題点は高機能過ぎたこと
    • Webはリンク先がデットであろうと飛べてしまうため不完全、だがシンプルであった
    • 必要最低限であることが成功の要因

Web以前の分散システム

  • 閉じたネットワーク環境で他のコンピュータをリモート利用できるRPC
  • オブジェクト指向言語向けに、オブジェクト自体をリモート側に配置するCORBAやDCOM
  • いずれも数を限定した規模が前提のシステムであり、世界規模では動作できないものであった

Webの誕生

  • 1990年 Tim Berners-Lee(ティム・バーナーズ=リー)がWebの提案書を考案
  • 企業や大学の研究者が利用してコンテンツを公開し始める
  • Webの普及を一気に推し進めたのが、ブラウザMosaic
  • Webはインターネットを使ったハイパーメディアであることが特徴

Mosaicは1993年にイリノイ大学NCSA(米国立スーパーコンピュータ応用研究所)から公開されたブラウザ。

それまでのブラウザが文字情報しか扱えなかったのに対し、Mosaicは文章に画像を混在させることが出来た。なお、Mosaicは現在の Internet Explorer や FireFox の源流のブラウザ。

Webの標準化

背景

アカデミック領域で広まったWebにMosaicの普及を期にニュースや娯楽メディア、ECなどが参入。
これに目をつけ、MicrosoftやIBMなどの大手ベンダーの商業的な参画が90年代後半に同時多発した。

Webの仕様策定

Web以前のインターネット標準はIETF(Internet Engineering Task Force)で定めていた。
しかし、Webの爆発的普及にIETFの仕様策定が追いつかず、各社ベンダの実装がバラバラになっていった。

そこで、Berners-Leeが中心となり、新たな標準化団体 W3C (World Wide Web Consortium)を1994年に発足、HTML, XML, HTTP, URI, CSSなどの標準化が行われた。

特に、HTML・CSSは各ブラウザが独自拡張を繰り返した結果、表示が大きく異なる状態になり、今でも「ブラウザ対応」という言葉・仕事が残るはめになった。

RESTの誕生

同時期に、当時大学院生だったRoy Fieldingが博士論文としてREST(レスト)を提唱。詳しくは3章:REST – Webのアーキテクチャスタイルで記載することとする。

Web APIを巡る議論

背景

初期のWebは学術論文の公開が目的であったため人が文書を読むものだった。

90年代後半からは、プログラムから操作可能なWeb APIの標準化が議論の的になっていく。

SOAP 対 REST

SOAPをプロトコルとして扱いたいMicrosoft, IBMなどの商業ベンダと、自らが提唱したRESTをプロトコルとして扱いたい一人の研究者Roy Fieldingという構図で対立が起きた。

RESTの普及にはずみを付けたのは2002年にAmazonが公開した「REST形式」のWeb APIであった。

Amazonの拡大とともに瞬く間に普及し、利用率が「SOAP:REST=20:80」と報告された。

SOAP推進派は「RESTは低セキュリティのおもちゃであり、基幹システムなどには不向き」などと否定することになるが、当時のベンチャーであるGoogleやAmazonが手軽なRESTを採用したことでRESTが勝ち残ることになる

SOAPの敗因

  • 仕様が複雑過ぎたこと
  • 仕様策定のステークホルダーがMicrosoft, IBMなど多岐にわたり解釈に差が生じて互換性を失ったこと

以上のように、2章は読み物として面白く、更にはシンプルなものが生き残るというビジネス全般に当てはまるケーススタディの宝庫でもありました。

          
    

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