軽減税率、EC業界に混沌を招くのか?特需をもたらすのか?

今回は軽減税率とEC業界の関係についてポエム記事を書いてみました。

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背景

昨日銀座Railsという勉強会に参加してきました。

名前の通りRailsについての勉強会を銀座界隈のエンジニアが集まって開催しているのですが、今回はテスト駆動開発のt_wadaさんがRails RSpecのライブコーディングをしてくれるということで大いに刺激を受けてきました。

各発表者のお題についてはどれも勉強になったのですが、t_wadaさんがお題にしたのが軽減税率シミュレータをRSpecでテスト駆動開発するというもので、途中から「これは自分の仕事にも影響するものでは?」と戦々恐々としたところ、調べるとやはりそうだったのでポエムを書いてみました。

おことわり

僕自身は税理士でもなんでもないただの社会人ですので、誤った理解で記載しているかもしれません。
当記事内に怪しい内容があればお問い合わせ等でご指摘いただけると助かります。

軽減税率について

昨今テレビを中心に何度も取り上げられているので知らない方は居ないでしょう。

平たく言うと、来年10月に迫る10%への消費増税による景気冷え込みを抑制するための時限措置で一部商品の消費税が8%に据え置かれるというものになります。

その対象がこちら

  • 飲食料品
    • 外食は除く
    • ただしテイクアウト・宅配は対象
    • ケータリングは除く
    • ただし有料老人ホーム等で行う飲食料品は対象
    • 酒類は除く
    • 医薬品・医薬部外品は除く
    • 一体資産の一部商品は対象
  • 週2回以上発行される新聞

一体資産とは、チョコ菓子とおもちゃがセットになったような食料品でのことで食料品の価格が全体の2/3を超えるものは軽減税率の対象だそうです。

※参考資料
政府広報オンライン
国税庁発行の軽減税率リーフレット

軽減税率の厄介さが分かる例

コンビニテイクアウト論争

ユニー・ファミリーマートHD、中山勇副社長はテレビインタビューのなかで「おにぎりを3つ買われたお客さまがいて、1個は食べたけれど、2個は持って帰る」というケースを取り上げています。

  • 店内で食べたおにぎり:消費税10%
  • 持って帰るおにぎり:テイクアウトなので消費税8%

これをレジ対応で意思確認するオペレーションにするかなどにコンビニ業界も振り回されています。

うーん、無人化店舗とは真逆を行く人力オペレーションの世界だ。

オロナミンCとリポビタンD

  • オロナミンC:食品なので消費税8%
  • リポビタンD:医薬部外品なので消費税10%

両方を店舗に置いているコンビニ・薬局はレジシステムの改修が必要です。

というか、これらを取り扱っている自販機の販売価格はどうなるんだろう?
一律10%だったら近くのコンビニで買ったほうが安くなるよね。

EC業界と広告代理店に与える影響

さて本題です。

上に見たオロナミンC/リポビタンDのケースの通り、
一般的な飲食品は8%に据え置かれますがそれ以外は10%に引き上がります。

これをECシステムで対応しないといけない案件が大量発生するわけです!

ECサイトは対応必須!軽減税率への対策を
サプリメントや栄養ドリンクは軽減税率の対象?

僕は普段健康食品・コスメ商品をインターネットで販売している事業者を支援する仕事をしていますが、来る2019年が憂鬱になりました。。

税率の一括変換改修では対応できない

飲食品とそうでない物の両方を取り扱っているECショップの税率を考えてみましょう。

  • 飲食品のみの購入:8%
  • 飲食品以外の購入:10%
  • 飲食品とそれ以外の同時購入:前者は8%で計算して後者は10%で計算して足し上げる

一番最後が闇深いですよねー

税率が商品ごとに変わることを想定して作られていないシステムが殆どなので、

  • 商品DBのレコードごとに税率を持たせる
  • または商品レコードが保有する商品カテゴリのレコードに税率を持たせる
  • (EC-CUBE、ecbeing、Makeshopは軽減税率機能を実装しているそう)
  • その税率を確認画面で取得して、税込価格にしてから足し上げる処理にしないといけない
  • デプロイ前に誰がどれだけの組み合わせを試して確認すると思っているんだろう?
  • Amazonとか楽天レベルの改修とそのデバッグを考えると開発者は大変だ。。

定期商品の税率をある日を境に変えないといけない

これまで見てきたように軽減税率は時限措置なわけです。

  • つまりある日時を期に飲食品の税率も10%になるわけです。
  • 飲食品の定期注文データもその日を境に消費税額が10%に変わるように組む
  • 組むのもそうですが、これまた誰がチェックすると思っているんだろう?
  • しかも、調べた限りでは軽減税率の終了時期が明記されていない

これまた闇深い

税込価格の広告表記は全て作り変え・一斉置換

理由はこれまで見てきたとおりです。

飲食品は8%なので据え置きですが、それ以外は10%にしないといけません。

今の広告トレンドとして

  1. バナー広告
  2. 記事広告
  3. ランディングページ
  4. ECショップ

の遷移がメジャーですが、コスメなどの飲食品以外の広告が税込価格の場合、バナー・記事・ランディングページの全てで修正が必要になるわけです。

  • 数多すぎません??
  • 運用型広告は軽減税率発動の2019年10月1日の日時変更時にどうするの??
  • 誰かが深夜帯に一斉置換作業ですか・・?
  • 制作費も馬鹿にならないし、差し替え作業も大変だし、そのチェックも大変なのですが。。
  • 広告の価格とECシステムの価格が食い違っていたら悲惨でしかない。。

世の広告代理店・制作会社はクリエイティブ制作の特需と見るのか、その後に押し寄せる大量のチェック作業を闇と見るのか意見交換したい。

飲食品ECの特需か??

軽減税率発動後は相対的に飲食品の税率が8%に下がるのでこんなことを妄想してみました。

  • 飲食品ではない商材に比べてお得になるので消費が伸び、市場が伸びる?
  • つまり、コスメ市場よりも健康食品市場の伸び率が高くなる?
  • 軽減税率押しのクリエイティブがはびこる?
  • CRMプログラムに軽減税率押しのクリエイティブが生まれる?
  • 軽減税率の影響で飲食品定期ECのLTVが上がる?

最後に

今回は取り上げませんでしたが、中小企業の販売やキャッシュレス決済であれば更に税率が変わり、最大消費税3%になるケースも存在します。

このように軽減税率は複雑すぎるがゆえに経済界から不満を招き、今も議論が奔走しており、現行案から変わる可能性もあります。

しかし、どう転んでも2019年10月1日に軽減税率はやってきます。

日本全国を巻き込む超マクロ的な変化で、しかも前例がないビックイベントになるのでどんな影響が起きるか誰にも予想が付きませんが、イロイロな意味で楽しみですね。。

(改元といい、軽減税率といい2019年はITエンジニア泣かせな年になりそうです。)

          
    

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